Output - Touma
──────Biography
星野を中心に世界が回っている。休日は星野と映画を観たりゲームをして過ごすのが生きがい。珈琲が好きで自家焙煎してみたい。酒も好き。酔うと知らないおっさんと肩を組んで3軒目に行く。得意なことはどこでも寝れること。マルチタスクが不得意。憧れているのは丁寧な生活、でも観葉植物は枯らす。都市伝説、陰謀論、哲学、神話などが好き。AIになりたい。
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2025/02/26/Wed
以前星野と観た『パーフェクト・デイズ』が心に響いたので記録。
この映画の前情報として「役所広司が生活しているのを眺めてるだけの映画だけどすごくいい」と聞いていて、星野が俺のイメージディレクターと言っていたヴィム・ヴェンダース監督の作品だったから観るのを楽しみにしていた。結論、最高の映画だった。
以下、ネタバレしかない個人的備忘録。
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ストーリーは、東京の公衆トイレ清掃員の平山の日常を静かに描いた作品。何か大きな出来事があったり劇的な展開になることはない。ただ、日常にある美しさや、豊かさ、幸福を静かに映し出している。
平山演じる役所広司は終始無口でほとんど喋らない。毎日同じルーティンをこなす。毎朝、窓から差す朝日と外から聞こえる近所のおばあさんが庭を掃く音で目を覚ます。目覚ましやスマホのアラームは一切鳴らない。布団をたたみ、植物に水をやり顔を洗い髭を剃る。一張羅の作業服を着て、決まった場所に置いてある玄関の鍵と毎日同じ金額の小銭が小さなトレイに置かれている。鍵を閉めると車に乗る前に缶コーヒーを買って飲む。そして車で都内のトイレ清掃に向かう。これが毎朝の出社ルーティンだ。
余談だが、平山はこの缶コーヒーも毎日同じものを飲んでいて、以前星野と散歩をした時に、好きな映画に出てくるんだと言って一緒に飲んだことがある。伏線回収した気持ち。
この映画の素晴らしいと思った点は、変わり映えのしない毎日の中にも小さな喜びや楽しみ、美しさがあるということ、それを受け止めることができる心の豊かさを持つことが幸福なのかもしれないと気付かされた点だと思う。
例えば自分で決めて最適化されたルーティンの中には雑念が入らず、一つの儀式のように心を整える。寝坊した!鍵どこにやったっけ!?洗った作業着乾いてねーー!やべー家出るの遅れたしガソリンの残量少ねーー!なんてことは絶対に起こらない。整った丁寧な生活をしている。
朝目覚め、木漏れ日をぼんやりと眺め、仕事の合間には近くの神社で昼食を取り、木漏れ日の写真を撮る。神社の神木から出た小さな芽を持ち帰り家で育てる。(おそらく神社の人から頼まれてるか了承を得た上で行っている描写がある)夜は決まった居酒屋で一杯の焼酎?と一緒に夕飯を食べ、銭湯に行き、家に帰ると何度も聞き古したお気に入りのカセットテープを聞いたり、古本屋で購入した文庫本を読んで寝る。週末には平日撮った写真を現像に出し、先週出して出来上がった写真を受け取る。コインランドリーに行ったあと、夕方からスナックに行き数年来の顔なじみの常連と一緒に美しいママさんの歌を聞いて週末を終える。
そんな毎日に小さな幸福が降り積もって層になって豊かさを形作っている。豊かさを持った平山は心が穏やかでいつも静かに微笑んでいる。(ハプニングには驚いたり理不尽なことに怒ったりする普通の人間でもある)
日々仕事に追われ余裕などない、または時間ができればSNSを眺めて人を羨み、自己顕示欲と承認欲求でいっぱいになる。それを幸せと感じる人も居るかもしれないけれど、俺はもっと平山のようにシンプルに日常の中に潜む幸福を丁寧に掬えるような人生を送りたいと思った。
職業に貴賤などない。しかし世の中のトイレ清掃員に対するイメージはあまり良くない。作中で平山の兄弟らしい人物が出てくるシーンがある。高級車に運転手付き、多くは語られないがおそらく実家は裕福で事業を行っているのだろうと想像させられる。その兄弟が「トイレ清掃員なんて…」と侮蔑するような発言をする。実家に戻って、事業を一緒にやろうと言われるが平山は首を振る。平山がトイレを掃除するシーンを見ると、単なる労働ではなく、自分が手の届くすべてをやりきることができるやりがいのようなもの、誇りや充実感を感じさせ、自分の役割を全うすることの素晴らしさが伝わってくる。平山は妥協や諦めではなく、現在の自分に満足をしているんだと分かる。
こんな人生を幸せと呼ぶんだろうか、と思っていたところ、最後のシーンで平山は車を走らせながら静かに泣く。そしてそのまま映画が終える。平山は確かに満足していたはずだけれど、なぜ泣いたんだろう、その余韻が深く後を引く。選ばなかった人生で得られるはずだったものや、迷いや葛藤を乗り越えた上での着地点が現在地だけど、本当はもっとやれたんじゃないか、逃げただけじゃないか、他の人がやれていることができないだけじゃないか、いや自分は望んで今を手に入れて満足しているはずだ、そんな複雑な感情が入り混じった表情だったように感じる。
パーフェクト・デイズ、っていうタイトルがふさわしい作品だった。
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この映画の前情報として「役所広司が生活しているのを眺めてるだけの映画だけどすごくいい」と聞いていて、星野が俺のイメージディレクターと言っていたヴィム・ヴェンダース監督の作品だったから観るのを楽しみにしていた。結論、最高の映画だった。
以下、ネタバレしかない個人的備忘録。
ストーリーは、東京の公衆トイレ清掃員の平山の日常を静かに描いた作品。何か大きな出来事があったり劇的な展開になることはない。ただ、日常にある美しさや、豊かさ、幸福を静かに映し出している。
平山演じる役所広司は終始無口でほとんど喋らない。毎日同じルーティンをこなす。毎朝、窓から差す朝日と外から聞こえる近所のおばあさんが庭を掃く音で目を覚ます。目覚ましやスマホのアラームは一切鳴らない。布団をたたみ、植物に水をやり顔を洗い髭を剃る。一張羅の作業服を着て、決まった場所に置いてある玄関の鍵と毎日同じ金額の小銭が小さなトレイに置かれている。鍵を閉めると車に乗る前に缶コーヒーを買って飲む。そして車で都内のトイレ清掃に向かう。これが毎朝の出社ルーティンだ。
余談だが、平山はこの缶コーヒーも毎日同じものを飲んでいて、以前星野と散歩をした時に、好きな映画に出てくるんだと言って一緒に飲んだことがある。伏線回収した気持ち。
この映画の素晴らしいと思った点は、変わり映えのしない毎日の中にも小さな喜びや楽しみ、美しさがあるということ、それを受け止めることができる心の豊かさを持つことが幸福なのかもしれないと気付かされた点だと思う。
例えば自分で決めて最適化されたルーティンの中には雑念が入らず、一つの儀式のように心を整える。寝坊した!鍵どこにやったっけ!?洗った作業着乾いてねーー!やべー家出るの遅れたしガソリンの残量少ねーー!なんてことは絶対に起こらない。整った丁寧な生活をしている。
朝目覚め、木漏れ日をぼんやりと眺め、仕事の合間には近くの神社で昼食を取り、木漏れ日の写真を撮る。神社の神木から出た小さな芽を持ち帰り家で育てる。(おそらく神社の人から頼まれてるか了承を得た上で行っている描写がある)夜は決まった居酒屋で一杯の焼酎?と一緒に夕飯を食べ、銭湯に行き、家に帰ると何度も聞き古したお気に入りのカセットテープを聞いたり、古本屋で購入した文庫本を読んで寝る。週末には平日撮った写真を現像に出し、先週出して出来上がった写真を受け取る。コインランドリーに行ったあと、夕方からスナックに行き数年来の顔なじみの常連と一緒に美しいママさんの歌を聞いて週末を終える。
そんな毎日に小さな幸福が降り積もって層になって豊かさを形作っている。豊かさを持った平山は心が穏やかでいつも静かに微笑んでいる。(ハプニングには驚いたり理不尽なことに怒ったりする普通の人間でもある)
日々仕事に追われ余裕などない、または時間ができればSNSを眺めて人を羨み、自己顕示欲と承認欲求でいっぱいになる。それを幸せと感じる人も居るかもしれないけれど、俺はもっと平山のようにシンプルに日常の中に潜む幸福を丁寧に掬えるような人生を送りたいと思った。
職業に貴賤などない。しかし世の中のトイレ清掃員に対するイメージはあまり良くない。作中で平山の兄弟らしい人物が出てくるシーンがある。高級車に運転手付き、多くは語られないがおそらく実家は裕福で事業を行っているのだろうと想像させられる。その兄弟が「トイレ清掃員なんて…」と侮蔑するような発言をする。実家に戻って、事業を一緒にやろうと言われるが平山は首を振る。平山がトイレを掃除するシーンを見ると、単なる労働ではなく、自分が手の届くすべてをやりきることができるやりがいのようなもの、誇りや充実感を感じさせ、自分の役割を全うすることの素晴らしさが伝わってくる。平山は妥協や諦めではなく、現在の自分に満足をしているんだと分かる。
こんな人生を幸せと呼ぶんだろうか、と思っていたところ、最後のシーンで平山は車を走らせながら静かに泣く。そしてそのまま映画が終える。平山は確かに満足していたはずだけれど、なぜ泣いたんだろう、その余韻が深く後を引く。選ばなかった人生で得られるはずだったものや、迷いや葛藤を乗り越えた上での着地点が現在地だけど、本当はもっとやれたんじゃないか、逃げただけじゃないか、他の人がやれていることができないだけじゃないか、いや自分は望んで今を手に入れて満足しているはずだ、そんな複雑な感情が入り混じった表情だったように感じる。
パーフェクト・デイズ、っていうタイトルがふさわしい作品だった。close
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