Biography

ABOUT 灯間 -touma -

 

休日は星野と映画を観たりゲームをして過ごすのが生きがい。珈琲が好きで自家焙煎してみたい。得意なことはどこでも寝れること。マルチタスクが苦手で不得意です。駆け出しエンジニア。タチ。

Output

  灯間         編集

未明。

何事もなく、今日も世界が動いている。

終末を一緒に見届けよう、なんて言い出したのが1年以上前。俺らの秘密の遊びだったはずが、思いのほか認知されてしまい、なんだか秘密基地が大人に見つかったような気持ちで、俺らだけの秘密の遊びではなくなってしまった。

白んでくる空を見て、もうすぐかと言い合う。

星野「こんな早朝からジョギングしてる人いる。朝にも程がある。」
俺「いやほんとな。俺らと住む世界が違いすぎる」

俺「すずめが、鳴いてるな。」
星野「うん、鳴いてる。」

時間になっても、世界は終わらなかった。
終末なんて来ない、そんなことは知っていた。

けれど、いつか星野と、この星を離れて帰る日が来るのを、今か今かと待ち望んでいた俺らにとって、ほんの少しの希望でもあった。

俺「俺の知り合いが、滅亡に備えて斧買ったんだって。木が倒れてきたら道を切り開くために。でもそれだと常に持ってないといけねぇよな、どうすんだろ。」
星野「それこそ背中に背負うんだろ。金太郎みたいに。」

いつものように、くだらないことを言いながら笑ってベッドに入り直す。

毎日、世界は終わってまた新しい世界が始まる。
ここで、星野とまだやることがあるのかもしれない。
さあて、次の終末まで、何をしようか。close


#終末へ走れ!