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俺は王族の星野に仕える仕立て屋だった。
ただ、一目も星野の姿を見た事がない。
仕立て屋として王宮に入り、細かく決められたしきたりの中で仕立てを行う。
既にある服は捨ててはいけない、先に王宮入りした職人には敬意を払う、扉を開け閉めする時には中に視線を向けてはいけない、断ちハサミを使う時には複数からの許可がないといけない。
そんな時、王族の星野が近くで開催される晩餐会に出席するために近くを通るということを知り、俺は一目見ようと向かった。
付き人をぞろぞろと連れて歩く星野を見つけて、俺は思った。
「完璧な人だ」と。
それと同時に「いま作ってる服は小さくて着れないだろう」という事を悟った。
俺らはこの王族が子供の頃から成長しているであろうことを当然の常識として知りながらも、与えられた仕事をただこなすだけで彼が着ることのない服を何年も作り続けていたんだと気付いた。
その後、星野は巨大水上スキーの上で極上のローストビーフを食う晩餐会に参加していて楽しんでいたようだった。
#呟き #見た夢