ABOUT 星野 - hoshino -
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大抵ノリ良く騒いでる。栄養は主に灯間から摂取。映画はミーハー、ゲームはニワカ、音楽はつまみ聴き。人狼で一番好きな役職は「皮なめし職人」。前世は多分ステゴザウルス。灯間が贔屓にしていた(怪しい)占い師曰くアンドロメダ出身。
──4つの思考表現スタイル』読了。
この本を買ったのが去年の11月?読むのにすんげぇ時間かかった。学術書なので畳まずに感想書いていきます。
「"論理的思考"とは一体どこから来るのか?」
ここで言う「論理的」というのは論理学の専門用語ではなく、日常で聞く「お前の意見って論理的じゃないよな〜」って場面のやつな。
論理的・合理的な思考ってこうだろ?決まってる、と思うかもしれないが、著者曰くそれは「歴史」と「作文」の教育で作られた価値観であり、国や文化が変わればその思考法も変わるという。この本ではその思考法を4つの型に分け、その代表的なものとしてアメリカ、フランス、イラン、日本を紹介している。
ざっくり言うとアメリカは経済や科学、フランスは政治、イランは宗教、日本は社会性を重視した教育がされていて、これが論理的思考の基盤を作っている。
例えばアメリカの作文は最初に主張を書いて、その論を補強する為の根拠となる事実を連ねる結論ファーストな書き方。対する日本の作文は、起きたことを順に書き体験から何を感じ学んだかを述べるという形、さらに他者の作文についてどう感じたかを話し合うことで共感性を高めるところまでがセット。この二つの違いがすげぇわかりやすいかな。対すると書きはしたが、日本人にもアメリカナイズされた論理的思考の人が多いとは思う。
学ぶ作文の構成の違いが論理的な考え方のズレを生み、時に摩擦の発端となる。しかしその実、背景を知れば「あなたの思う論理的とは」そのものが壊れていくっていうね。誰かの話し方が論理的じゃないなと感じたとしてもそれは、その人の賢さとは別の問題であるっていう事も新しい発見だったな。
最終的にこの本は、異なる思考法を学びTPOに合わせてスイッチするように話し方を切り替えていくのが大事だという論に帰結していく。
この本を読み始めた頃『ボーはおそれている』という映画を観ていて、これがまさに今読んでることだ、と思ったことがあった。
劇中とある人物が状況を伝える場面があり、その人は「自身に起きた全ての事象を時系列で並べ一から十まで話す」という喋り方をしていたのだが、これはアメリカ的に「論理的じゃない遠回しな話し方」の典型として表されていて、なおかつ「変人の特徴」として偏見が乗った状態で描かれているんだなと気付いた。
こういう日常に潜む何気ない違和感の中にも、教育による価値観が根付いているんだ…という一種の恐ろしさを覚えたりな。脱皮転生の一冊でした。
個人的にイランの法技術原理の項が一番興味深くて楽しかった。流石にここで全てを書くと長くなりすぎるので端折るが、歴史教育の差異とそれがもたらす国ごとの価値観もすげぇ興味深いし、着眼点が素晴らしいと思う。
言語に興味ある人にはぜひ読んでもらいたい。
#books